人類の多様性 ー その壱
2025年09月21日 19:13
2025年09月21日(日)
人類の多様性ーその壱
人類発祥の地は、東アフリカサバンナ地方といわれています。数百万年の間、その地で進化を遂げ、十数万年前に、北のヨーロッパ方面と東のアジア方面に移住していきました。その結果、その地域の気候、それに伴う自然環境に対応して生き延びていく為に、人類に多様性が生まれたのです。
共通点としては、アフリカのサバンナは晴れの日が多く、乾燥していますから、人類はそもそもからっと晴れて乾燥している気候を心地よいと感じ、正反対のじめじめとした梅雨は最も不快と感じるようにできています。
また、精神の安定を高めるホルモンのセロトニンは、日光による刺激でその神経が活性化され分泌されますから、晴れの日はまさしく、晴れやかな気持ちになります。社会福祉環境が整っているにもかかわらず、北欧の自殺率が高いのは、日照時間が短い事も原因のひとつと予想されています。本能的にそれがわかるためか、ヨーロッパの人々はバカンスで地中海に日光浴に行くのですね。
さて、ここからが本題です。
人類の遺伝子は皆同じなのに、なぜこんなに多様な人種ができたのかをお話しましょう。
わかりやすいところで、白人と有色人種の様々な違いから紐解いていきます。
まず、日照時間の短いヨーロッパでは肌は白くなり、日照時間の長いアジアでは、紫外線に耐えるためにメラニン色素を多くして、肌は黒くなりました。もちろん、金髪と黒髪もその違いの所以です。
ヨーロッパの気候は寒いので、その冷えた空気を直接吸うと肺を傷めるため、まずその入り口の鼻で空気を暖める必要があり、鼻が高く大きくなりました。アジアは暖かいので、鼻はゴリラのように低いままです。日光は目を傷めるので、日光の強いアジアでは、目を細く小さくする必要があり、日光の弱いヨーロッパでは、逆のパッチリお目目となりました。目の色素もアジア人は黒、ヨーロッパ人はメラニン色素の少ない青や緑です。
次に、体格の違いについてです。
気温が低いと、体重に比べて表面積を小さくして熱の放散を防ぐ必要があるため、動物は巨大化します。よって、寒いヨーロッパの人々の体は大きくなりました。典型例は北極の白熊ですね。加えて、農作物が育ちにくいので、狩猟が必要となり肉食が進み、牧畜をしてミルクを飲み、アジアの人々より栄養価が高いものを摂取してきたことも、巨大化に有利に働きました。ヨーロッパ人は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンを分泌する膵臓の機能がアジア人よりかなり高く、インスリンは同化ホルモンで、栄養を体に変えますから、さらに体が大きくなっていきました。
対して、アジア人は、暑いまたは温暖な気候のもと、熱の放散が必要となり、体格が小型になりました。農作物が育ちやすいので、菜食になり、カロリーの低い食生活のもと、体はあまり大きくなりませんでした。よって、膵臓の機能を高める必要もありません。故に、我々アジア人は、血糖値の上昇により、糖尿病になりやすいのです。
人類の多様性を、生き延び、定住し、進化してきた理由から考えると、健康長寿を保つ為の秘訣がシンプルに明らかになってくると思いませんか。
続きは、その弐で
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